ビリー・アイリッシュ、ホワイト・ストライプス、テーム・インパラなど、コーチェラ20周年ドキュメンタリー映画公開に合わせて、記念碑的にものすごいライブ映像が次々配信!!!

ビリー・アイリッシュ、ホワイト・ストライプス、テーム・インパラなど、コーチェラ20周年ドキュメンタリー映画公開に合わせて、記念碑的にものすごいライブ映像が次々配信!!!

コーチェラの20周年ドキュメンタリー映画が公開されたけど、観ましたか?

本来だったら今月10日〜12日と17日〜19日に行なわれていたはずのコーチェラフェス。ドキュメンタリー映画の公開にあわせて、過去のライブ映像がどんどん配信されている。

1)ビリー・アイリッシュ、2019年“when the party's over”

https://www.youtube.com/watch?v=YLnUNjAq7-w

ちょうど今から1年前だが、この「世界の終わり」感と、インタビューでも言っていた「でも大丈夫だからと言いたい」という感じが、今の世界にぴったりすぎる。神様が授けてくださったとして思えない存在。

ビリーに関して言えば、今年はキャンセルになってしまったNYのフェス、ガバナーズ・ボールで、2018年にカリードと共演した“Lovely"の映像も公開されている。


2)ホワイト・ストライプス、2003年“Dead Leaves and the Dirty Ground”

ホワイト・ストライプスと言えば、この映像だ。


今は誰もが家にいるので、アーティストたちが自宅から様々なライブを配信しているが、さすがジャック・ホワイト、カッ飛んでる。かつて彼がやっていた家具の直しをやっているのだけど、それが普通じゃないのだ。インスタを是非フォローして欲しい。

例えばこの椅子。なんとギターと繋げて弾いていた。


また、ブライアン・イーノのアンビエントスピーカーと接続を試していることもあった。


大きなソファと思ったらバービーサイズだったり。


基本的に古いものを解体して作り直し、その過程を形にして見せているんだけど、驚きに溢れている。つまりこれだけでもジャックの美学そのものが表現されているのだ。

3)テーム・インパラ、2019年“Patience”


4)BLACKPINK、2019年“Kill This Love”


5)ラン・ザ・ジュエルズ、2016年“Sea Legs”


6) Phantogram、2017年“You Don't Get Me High Anymore”


現時点ではこれだけだけど、徐々に増えているので要チェック。
https://twitter.com/coachella

また、まだコーチェラ20周年のドキュメンタリーを観てない人がいたらこちら。面白いです。

https://www.youtube.com/watch?v=jjwilAja7Lc

個人的なことを言えば、コーチェラの初回が1999年で、私がコレポンとしてNYに戻って来たのも(その前にも一度学生で住んでいたんだけど)1999年なので、このドキュメンタリーと自分のアメリカでの音楽体験がおもいっきり重なる。フェスの最初の「記念碑的な瞬間」と言っていた、ピクシーズ復活→レディオヘッドのヘッドライナーの時も、実際会場で観ている。
https://www.coachella.com/

アーケイド・ファイアの感動的なバルーンも鮮明に覚えている。


バンドとクリエイターのクリス・ミルクは、いかに最新のテクノロジーを使いながらネット上で観客とエモーショナルな繋がりをできるのか、当時探求していたのだ。後に、その時の手法がアリーナの会場のリストバンドになって多用された。

カニエ・ウエストの初のヘッドライナーは、登場の仕方から目が釘付けとなった。その「アート」としか言いようのない瞬間も忘れらない。

アダム・ヤウクが病気になってしまったビースティ・ボーイズの代わりに、JAY-Zが急遽NYのフェスでヘッドライナーを務めた際も観ていた。その数年前にグラストンベリーに出演し、ノエル・ギャラガーにけなされていたのが良い影響を与えたのではないかと思ったのを覚えている。ステージにバンドもいて、当時のメインストリームのヒップホップのライブとは大きく違うものになっていた。

当然ビヨンセのコーチェラ最高の瞬間と言えるライブも、マドンナがダンステントにサプライズで出た事も、それに最新のフェスではリゾ、J Balvin、BLACKPINKといった今のシーンを反映する多様性のあるメンツに繋がっていったことや、最後に登場するアイコンなど、何から何まで自分のハイライトと重なる。彼らが現場で目撃して感動したものが選ばれているというのが、感覚的にすごく良く分かる。

ビヨンセのコーチェラライブを観ていない方はNetflixでどうぞ。この間ネット上で、みんなで観ようというパーティがあり、Twitterのトレンドにもなっていた。


唯一同意できなかったのは、EDM、ダンスシーンについて、大きなフェスではコーチェラだけがどこよりも早く動きを捉えていたと紹介されていたこと。ペリー・ファレルがやっているシカゴのロラパルーザにもずっとダンステントがあったからだ。最初はペリー・ファレルとその友達がDJするというすごく小さなテントだったのだが、それがあったおかげで、EDMの動きを見逃すことなく、瞬く間にダンステントは大きくなっていった。ロラパルーザに行った際、彼もそれを誇りに思っていると語っていた。

コーチェラが他のフェスと圧倒的に違ったのは、そのステイタスだったと思う。出演できたらクールなバンドの仲間入りで、だから、どんなに小さいバンドでもコーチェラに出演しただけで要チェックだった。私の記憶が間違っていなければ、昔グッド・シャーロットにインタビューした際、「俺たちも出たいって言っているのに、出してもらえない」と言っていたのが忘れられない。

今年のコーチェラは10月に延期。現時点では、10月でもできるような気がまったくしないのだが.....。コーチェラの主催者がNYで行なった2017年のパノラマフェスでヘッドライナーを務めたフランク・オーシャンのライブは、今思い出しても生涯最も感動したライブのベスト10にも入るであろう内容だった。今年のフェスが実現してもしなくても、フランク・オーシャンのヘッドライナーが何らかの形でまた観たいに尽きる。どちらにしてもこれまでとは違う「新たな日常」の世界でのライブになるのだと思う。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする