祝! NINのロックの殿堂入りを受けてトレントが戸惑いながらも「少しの間、喜んで良いことにする」とコメント。また「週末に赤ちゃんが誕生した(5人目!)」とおめでた続き

祝! NINのロックの殿堂入りを受けてトレントが戸惑いながらも「少しの間、喜んで良いことにする」とコメント。また「週末に赤ちゃんが誕生した(5人目!)」とおめでた続き - pic by Panorama 2017pic by Panorama 2017

今年、ロックの殿堂入りするアーティストが発表された。

ホイットニー・ヒューストン
ザ・ノトーリアス・B.I.G.
ナイン・インチ・ネイルズ
デペッシュ・モード
T・レックス
ドゥービー・ブラザーズ

この決定に音楽ジャーナリスト達が一斉に突っ込みを入れているのが面白い。「NPR」は女性が少なすぎると。今回は6組中1人だけだし、全体でもわずか9%しかいないというショッキングな数字。さらに殿堂入りすべき女性アーティストのリストまで掲載している。

オスカーも、殿堂入りも、政治も、現実を無視した白人男性が仕切る旧体制なので、こうやってどんどん抗議すべきだ。


また、シカゴ・トリビューン紙のライターは、「自分は、毎年クラフトワークに投票している。いつか殿堂入りすると思って。今年はとりわけ、NINとデペッシュ・モードというクラフトワークなしでは存在しなかったバンドが殿堂入りしているのに、クラフトワークは殿堂入りしていない。殿堂入りなんてたいした問題でもないんだが、でもマジかよ.....」というコメントも。
https://twitter.com/gregkot/status/1217560385915703300

個人的に疑問だったのは、2013年から導入したファン投票制度。それによって1位となったバンド、ラッシュ、キッス、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、シカゴ、ジャーニー、ボン・ジョヴィデフ・レパードはすべて殿堂入りを果たしている。

しかし、今年1位となったデイヴ・マシューズ・バンドはなぜか殿堂入りしなかったのだ。何のためのファン投票なんだろう? デイヴ・マシューズ・バンドはファンに投票するよう積極的に呼びかけていたし、実際100万票も集まっていたのにかわいそうだ。

殿堂入りが決定したトレント・レズナーはさっそくローリング・ストーン誌のインタビューに答えている。
https://www.rollingstone.com/music/music-news/trent-reznor-rock-roll-hall-fame-937871/

戸惑いながらも、「少しの間だけ喜んでいいことにする」と言っているのが彼らしい。彼は今年の殿堂入りが開催されるオハイオ州クリーブランドでバンドを始めたので、感慨も深いよう。また、今年のアルバム、ツアーについても答えている。以下抜粋。

●殿堂入りの決定を受けて
「マジでビビっている。本当に驚いているんだ」
「振り返ってみて、NINの受け取られ方を考えると、いつも俺たちは溝に落ちているような感じで、そういう分野には属さないと思ってきた。でも、嬉しいよ」

●オスカー授賞と比べて
「オスカー授賞はシュールな経験だった。というのも、オスカーを獲るなんてまったく思っていないところからやってきたから」

「でもその道に長けた人達に認められてすごく嬉しかった。次の日目が覚めても、自分はその前の日と変わらないクソ野郎のままなのにね。でもすごく偉大なものに思えた。良い気分だった」

「ロック殿堂については、そのコンセプト自体がバカげていると思っていた」

「だけど去年ザ・キュアーが殿堂入りをした時は、すごくクールだと思った。レディオヘッドのメンバーもいたし、ブライアン・フェリーのパフォーマンスも観られて良かった。自分の殿堂入りについてはまだしっかりと把握できてないけど、良い気分だよ」

去年のザ・キュアーの殿堂入りスピーチをしたトレントの映像。


●クリーブランドでの開催について
「どの都市にロックの殿堂のミュージアムを作るのかという競争があったのを覚えている。俺は当時楽器屋で働いていて、キーボードとドラムマシーンを売っていたんだ。その店でも、ロックの殿堂がクリーブランドに来るようにと働きかけていた。それから何年も経って、まさか自分がそこに殿堂入りするなんてすごく奇妙だよ」

トレントは、クリーブランドから1時間半くらいの場所で育ち、学校を辞めた後、クリーブランドにやって来た。「NINの原型であり、今も変わらない部分がクリーブランドで誕生した」とトレントは語っている。

●選出について
自分が選ばれて嬉しいものの、クラフトワークや、トッド・ラングレンが入っていないなど選出の基準や「意味が分からない」と。だから「少しの間だけ、喜んでよいことにする」とコメント。

●殿堂入りするのはトレント・レズナーだけか?
「俺自身は、バンド全員が殿堂入りして欲しいと思っている。それを決めるのは俺ではないんだが、でも俺の方からはそうして欲しいと働きかけるつもりだ」

●パフォーマンスやスピーチを誰がやるのかについて
パフォーマンスはするそう。誰がNINの殿堂入りスピーチするのかは不明。「何しろ週末に赤ちゃんが生まれたばかりで忙しいんだ」と。

それは驚きのニュース! すでに4人のお子さんがいるので、5人目! 奥さんでハウ・トゥ・デストロイ・エンジェルズのマリクィーン・マンディグが、インスタに妊娠中の写真をポストしていた。無事出産とのこと、おめでとうございます。


●NINの今年の活動について
コラボ・アルバムに取り組んでいるという話は「しっかりと考えずに発言したもの」だった、と。「発売できるようなものはまだない」そうだ。

また、ツアーについてもどうなるかまだ具体的には考えていないようだ。ただツアーの前に、何かしら発表したいと思っているとのこと。

ロックの殿堂入りのセレモニーは、5月2日に開催される。今年は初めてHBOが生放送することになっている。

一般人も入れることになって以来、NYで開催される時はほとんど会場で観ているが、放送される時には編集されて短くなっていたので、全編見られることになって嬉しい。
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